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はじめてのはきもの

長引くコロナ禍の影響によりお客様との時間も取りづらくなってしまい、テレワークの活用で実務は回せても何か物足りない…


ということで、せっかくのブログ機能を活用して個人的に面白いなと思ったことや思いついたことなどを不定期で発信していけたらと思います。
一方通行にはなってしまいますが、また何か言ってるわ、くらいで軽く読んでいただけますと幸いです。

 

 


最初のネタは弊社の本業である履物、その成り立ちと歴史から。



ヒトはいつ履物を履き始めたのでしょうか?

 

人類学者によると、骨の形状の変化からネアンデルタール人~ホモサピエンスの時代、およそ4万年~2万6000年前に"靴らしきもの”が登場していたのではないかと考えられているようです。

4万年前は何してたっけな…ちょっと思い出せないので調べてみると、ちょうど日本に現生人類が渡ってきた頃らしいですね。

地球規模で人類の移動が活発になるに従って、必然として履物が生み出されたのかもしれません。

 

 

上記の4万年前の履物は現存せず人体の化石からの推測となっているのですが、もう少し新しい年代になると形状を留めたまま発掘されるものも出てきます。


1938年にアメリカ・オレゴンの洞窟でおよそ1万年前のサンダルが発見されています。焚き火で焦げたと思われる跡があり、小さな子供用のものまであったそうで、火を囲み家族で生活していた様子が伺えます。

ミズーリ州の洞窟で出土した8,000年前のサンダルには「同じものは2足とない」多様なデザインが施されていたとのことです。

部族や階級の識別目的でしたら「同じものは2足とない」ということはないでしょうから、ご先祖様はこの頃既にファッションに目覚めていたと考えられます。

 

世界最古の冷凍ミイラ「アイスマン」エッツィはおよそ5,300万年前、アルプスの山中で矢に射抜かれ亡くなったと考えられています。

彼の靴はヒグマと鹿の革で作られ、内側は樹皮製の網で足を囲むようにしっかりと縫い付けられていたそうです。
調査により亡くなる直前にアルプスの急峻を標高差にして1000m以上は移動していたと推測されているとのことで、非常に堅牢性の高い履物であったことが窺われます。
(ちなみにトップ画像はエッツィの復元イメージです)

 

一方、アルメニアで発見された5,500年前の最古の革靴は、その工法が現在でいうところのオパンケ(サイドマッケイ)によく似ており、シンプルでデザイン性が高かったとのことです。
時代としてはエッツィと近いのですが、こちらの靴は”歩き回るのをやめた人間が世界中で作っていた靴ではないか”とのことで、現在の靴のルーツはこの辺りと言えるのかもしれませんね。

 


人類最大の特徴である「直立二足歩行」
そのお供ともいえる履物は、早くからヒトの文化に溶け込み、発展を遂げていったのでしょうね。

 

(参考:ナショナル・ジオグラフィック 

 

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0609/f_3_zoom5.shtml
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2779/)