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パラ卓球シューズ

一昨日閉幕した2020東京パラリンピック。

今回はオリンピック、パラリンピックともにほとんど見れていなかったのですが、たまたま目にしたダイジェスト映像でちょっと気になったことがありました。

パラリンピックの卓球選手…、義足に靴を履いている?

 

パラアスリートというと板バネ状の義足のイメージが強いんですが、あれは陸上競技だけで球技では普通の義足に靴を履くスタイルが標準なのかな?

 

ちょっと気になったのでググってみると、日本パラリンピック委員会のHPに卓球の用具は”日常で使用する義足に近いが、靴を履かせて左右の身体のバランスを調整している”との記載がありました。

https://www.jsad.or.jp/paralympic/what/tool.html

 

なるほど、卓球では靴を履くのが当たり前なんですね~。

しかし義足に靴というのはいかにも二度手間だし、陸上と同じように卓球競技に最適化された義足はないのだろうかと思いもう少し調べてまたところ、卓球用の義足というのもあるにはあるらしいことが分かりました。ただ足部は”足の形を再現した物体”で構成されているとのことなので、卓球の動きに特化したものではないようです。

https://yamaguchi.diary.to/archives/51984286.html

 

価格は1足当たり180万円~200万円とのことで、スポンサーが付くようなトップ選手以外はなかなか手が届かないことでしょう。

そもそも市場が小さいうえに高額なため数が出ず、価格も高止まりして研究開発も進まず、足部の開発まで至っていないために次善の策として市販の靴を履くという対応を取っているのかなと想像しました。

 

なんだかもどかしく感じる一方、補助具の進化による競技レベルアップは本当にパラスポーツにとって望ましいことなのかと一抹の疑問もあります。

用具の発達・高度化はすなわち参入障壁が上がることを意味するわけで、市場が成熟した一般スポーツと違いまだまだ普及段階であろうパラスポーツにとっては却ってマイナスになりかねないのではないでしょうか。

 

 

私達が取り扱う一般向けの履物も同じですが、あらゆる道具は人間の生活をより便利にするために開発されてきましたし、そうであるべきだと思います。

人生を豊かさと道具の関係についてふと考えされられた一コマでした。